IPoEって何?PPPoEとの違いと注意点を初心者向けにやさしく紹介!

目次

はじめに

最近、インターネットを10Gbpsにしたい!と考える人が増えています。 でも、ここで知っておきたいのが、10Gbpsインターネットを契約すると、接続方式が「IPoE」になるということです。

「IPoEって何?」「今までと何が違うの?」と疑問に思う人も多いと思います。

この記事では、IPoEのメリットや注意点、PPPoEとの違いをわかりやすく紹介していきます。

IPoEは、速くて便利な接続方式ですが、一部の人には注意も必要なので、その点も含めて解説します。

IPoEの基本を知って、じぶんに合ったネット環境を選ぶ参考にしてみてくださいね!

IPoEとPPPoE?

まずは、IPoEやPPPoEってなんだろう?について話をしたいと思います。

IPoEPPPoEは、インターネット回線を使って通信するための技術(通信方式)のことです。IPoEの方が後発の新しい技術で、通信がより速く、安定しやすいという特徴があります。

みなさんが普段使っているインターネットは、Wi-Fiや有線LANで接続していますよね。インターネット回線は、その先にある自宅への入り口となっているルーターやモデムの外側の回線のことです。

つまり、IPoE と PPPoEは、ルーター・モデムとインターネットの世界との間で使用されている技術のことです。

IPoEとPPPoEとの違いを簡単に

IPoEとPPPoEの違いには、大きく3つのポイントがあります。

  • つなぎ方が違う
  • 混雑のしやすさが違う
  • IPの使い方が違う

それでは一つづつ解説していきます。

つなぎ方が違う

つなぎ方が違うことで、IPoEの方が設定が楽になるというメリットがあります。

PPPoEは「IDとパスワード」でつなぐ

PPPoEは、プロバイダから渡された接続用のIDとパスワードを使って、インターネットにログインする方式です。
ルーターの設定画面で「PPPoE接続」の設定をしたことがある人もいるかもしれませんね。

この接続方式は、必ず認証を通す必要があるため、
ルーターがプロバイダに「今からネットに繋ぎますよー」と毎回、認証を通すやり取りしてから、インターネットにアクセスする仕組みになっています。

IPoEは「自動でつながる」

IPoEは、IDやパスワードの設定が不要で、自動的にインターネットに接続できる方式です。

これは、インターネット回線とプロバイダの契約があらかじめ紐づいているため、
ユーザーが接続情報を入力しなくても、回線を通じて誰が接続しているかをプロバイダ側が判断できる仕組みになっています。

そのため、ルーターをつなげるだけで、すぐにインターネットが使えるようになります。

※ 補足:
ソフトバンク光などのコラボ回線では、「特に設定しなくても繋がる」と感じる人もいるかもしれません。これは、プロバイダ側でPPPoEの設定をルーターに自動で組み込んでいるからで、仕組み自体はPPPoEでも、ユーザーが設定を意識しない場合もあります。

混雑のしやすさが違う

IPoEは混雑の影響を受けにくく、その結果、通信速度が安定しやすくなります。

PPPoEは「混みやすい」

PPPoEは、インターネットに接続するために、必ずプロバイダの中継ポイント(接続装置)を通過して通信を行います。

この中継ポイントは、多くの利用者が共有して使っているため、夜など利用者が増える時間帯には、混雑して通信が遅くなることがあります。

IPoEは「混みにくい」

PoEでは、PPPoEのような「プロバイダ側の接続ゲート(認証の場所)」を通らず、もっと効率の良いルートでインターネットに接続する仕組みになっています。

このため、夜の混雑した時間帯でも影響を受けにくく、安定した速度で通信がしやすくなります。

IPの使い方が違う

PPPoEとIPoEでは、使われるIPアドレスの仕組みに違いがあります。

PPPoEは「IPv4」を使う

IPv4は、次のような数字の並びで表されます。

192.168.1.1

このように、0〜255の数字が4つ並んだ形式がIPv4です。全世界で使われているため、これだけの数字で表わせるパターンに限界があります。

このIPv4の限界に対処するために、プロバイダは「1つのIPアドレスを複数のユーザーで共有する」という工夫をしています。これによって多くの人が同時にインターネットを使えるようにしていますが、この仕組みの中で、通信の処理が増えるために遅延が起こりやすくなることもあります。

IPoEは「IPv6」を使う

IPoEでは、IPv6という形式のIPアドレスが使われています。

IPv6は、次のように数字とアルファベットが混ざった長い表記です。

2400:cb00:2048:1::c629:d7a2

IPv6は、IPv4とは違い、膨大な数のアドレスを持つ仕組みです。どれだけインターネットを使う人や機器が増えても、アドレスが足りなくなることがありません

IPv6は、IPが不足することを考慮した通信処理が不要となり、混雑しにくく、快適にインターネットが使えるようになっています。

補足:IPv4 over IPv6 という機能

インターネット上には、まだIPv4しか対応していないサイトがたくさん存在します。IPoE は IPv6なのでIPアドレスの形式が異なる IPv4のサイトと通信することが出来ません

そこで登場するのが IPv4 over IPv6という機能です。

この機能は、IPv6の通信の中に、IPv4のデータを“包み込んで送る”仕組みです。
 ※IPv4のデータをIPv6のデータの中にカプセル化して送る、トンネリングと呼ばれる技術の一種

IPv4 over IPv6 という機能のおかげで、IPoEでもIPv4のサイトに問題なくアクセスできるようになっています。

IPoEの注意点

IPoEは、普段インターネットを使うだけなら、速くて便利な接続方式ですが、サーバーを運用している人には、注意が必要です。

IPoEでは、IPv4のグローバルIPが使えないことが多い

IPoEは、IPv6を基本とした接続方式です。IPv4のグローバルIPアドレスは、通常は付与されません

これにより、自宅サーバーをインターネットに公開していた場合に、外部からアクセスできなくなる可能性があります

以下のように2パターンの障害が考えられます。

  • 自宅サーバーがIPv4専用の設定だと、外部からアクセスできない
    IPv4アドレスを持たないため、アクセスできなくなります
  • サーバーをIPv6対応にしても、IPv4環境からはアクセスできない
    IPv4環境の人は、IPv6アドレスにアクセスできません

対策は・・・

対策としては、以下の方法が考えられます。

  • プロバイダに、IPv4のグローバルIPを付与してもらう
    一部のプロバイダは、IPv4のグローバルIPをオプションサービスで提供しています
    これにより、サーバーの運用方法を見直さずに対処可能になります
  • IPv6オンリーで運用する
    IPv6で外部公開するようにサーバーの設定を変更し、IPv6からのみアクセスできるようにします
    公開WEBはレンタルサーバーに移設するなどの工夫が必要です

実は、私もこの問題に直面しサーバーの運用方法を見直ししました。私の場合は、IPv6オンリーで運用する方法を選択しましたが設定に苦労しました。このあたりの詳しい内容は、別の記事で紹介する予定です。

まとめ

IPoEは、これからのインターネット接続として、PPPoEに代わる速くて混雑に強い、便利な接続方式です。なるべく難しい用語は使わずに分かりやすく説明しました。

10ギガのインターネットに契約する際の情報として参考になれば幸いです。

以下にまとめますね。

IPoEとPPPoEの違いのまとめです。

  • つなぎ方が違う
    IPoEは設定が不要で、簡単にインターネットが使える
  • 混雑のしやすさが違う
    IPoEは混みにくく、安定した速度で快適
  • IPの使い方が違う
    IPoEはIPv6、でもIPv4のサイトも「IPv4 over IPv6」で安心して使える

IPoEの注意点のまとめです。

  • サーバーを公開している人は注意!
    IPv4のグローバルIPが使えず、外部からアクセスできない可能性がある
  • 運用の見直しが必要
    サーバーのIPv6化やプロバイダのオプションサービスに契約などの検討が必要
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